archive: 2017年07月

スポンサーサイト

No image

お腹がすきました。 .. 22 *R18

No image

 きっとお互い経験済みだろうと。そう思っていたのはどうやら俺の勘違いだったようで。「……俺が最初の男でいい?」「キリ……、郁也さんがいい、です」「……うん」 黙っていてごめんなさい、蚊の鳴くようなか細い声が届く。面倒だと思われるのが嫌で言えなかった、彼女はそう申し訳なさそうに呟いた。 勿論そんな事思うはずもなく、むしろ最初の男に選んでくれたことに喜びすら感じた。優しくしよう、そんな一種の義務感のようなも...

お腹がすきました。 .. 21 *R18

No image

「……キリタニさん」「ん?」「……しない、んですか」 何を?そんなの、聞き返さなくてもわかる。「……ゴム持ってないから、今日はいい」 本当のところは、もう彼女を自分のものにしたくて仕方がない。けれど今日、まさか彼女をこうして抱くことになるなんて一切思っていなかったから、準備なんて当然している訳もなく。 「つけないで外に出す」なんて、本当に果たせるかどうかもわからない約束を押し付けるつもりもなかった。無責...

お腹がすきました。 .. 20 *R18

No image

「……濡れてる」「……そういうことは言わなくてもいいです」 口調はいつも通りなのに、見下ろす先にある水森は、普段の無表情とはかけ離れていた。もどかしい程に施した愛撫は彼女から余裕を奪い、頬は赤く上気し、瞳は熱に浮かされたように潤んでいる。濡れた唇の隙間から漏れる吐息は色香を伴っていて、誘われるように薄く開いているそれに噛み付いた。 口付けながら下着の中に忍び込んだ指先が蜜を拾い、敏感な箇所を探る。くぐ...

お腹がすきました。 .. 19 *R15

No image

 それからは、なんというか。いつも通りの、俺と水森だった。「……あんなに食べて、なんでそんなに痩せてんの?」 それは素朴な疑問だった。普段から水森は人並み以上に食べる。その割には、さっきラグの上で組み敷いた時に触れた彼女の体はとてもほっそりとしていて、チキンボロネーズを6個ぺろんとたいらげてしまう程の暴食漢にはとても見えなかった。「それは、食べた分だけ消費してるから」 けれどその答えは意外と早く返っ...

お腹がすきました。 .. 18 *R15

No image

「……!」 一瞬、動きが止まる。水森も驚いたように目をぱちりと開けた。 それは俺の鞄から鳴り続けている。一瞬迷ったけれど、無視する事にした。今は彼女を優先したい。「……っ、キリタニさん、」「ん」「電話、鳴って、ます」「うん」「出たほうが」「いい」「でも」「―――出て欲しいの?」「んっ、あ……!」 単調だった舌の動きを変則的なものに変えれば、快感の質を変えた刺激を受けた彼女から一際、甲高い声が上がる。吸い付...

お腹がすきました。 .. 17 *R15

No image

 ――がっつく程の事じゃない、なんて。 どの口が言うんだ、改めてそう思う。 所詮、男の理性なんて豆腐のように儚くて脆い。 少し。ほんの少しだけ、彼女に触れた。それだけだ。 たったそれだけで、それまでの思考もプライドも理性も全部―――あっさりと崩れ落ちた。「んっ……」 ぽつりぽつり、雨の雫が小刻みに窓を打つ。 テレビから漏れる、誰かと誰かの笑い声。 それらの雑音も素通りする程に、彼女の甘い吐息だけを耳は器...

お腹がすきました。 .. 16

No image

 水森の様子がおかしい。  エレベーターを待ってる間、乗っている最中、3階通路を一緒に歩いてる時も。  彼女は一言も言葉を発しなかった。  水森は普段からそんなにお喋りな方ではない。そして俺も、川井のようにべらべらとものを話すタイプではない。けれど、その場の雰囲気に合わせて会話を盛り上げるべきか口を閉ざすべきか、くらいの判断は互いに出来る。特に彼女は、その場の空気を読むのは上手い方だった。  だから、...

お腹がすきました。 .. 15

No image

 駅前に新しいお寿司屋さんが出来るそうです、と以前水森が教えてくれた。 水森の情報収集能力は、とにかく精度が高い。迅速・正確・的確。加えて信憑性が高い。全てのスキルが兼ね揃っている。その能力はご飯会の打ち合わせ時もいかんなく発揮する。新しい店のリサーチなど、彼女にとってはお手の物だ。一体何処から仕入れルートを確保しているんだと疑ってしまうくらい、彼女の持つ情報は的確だ。 そしてその情報を元に決めた...

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。