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07:17:04
09

お腹がすきました。 .. 19 *R15

 それからは、なんというか。いつも通りの、俺と水森だった。



「……あんなに食べて、なんでそんなに痩せてんの?」



 それは素朴な疑問だった。普段から水森は人並み以上に食べる。その割には、さっきラグの上で組み敷いた時に触れた彼女の体はとてもほっそりとしていて、チキンボロネーズを6個ぺろんとたいらげてしまう程の暴食漢にはとても見えなかった。



「それは、食べた分だけ消費してるから」



 けれどその答えは意外と早く返ってくる。至極当然の事を主張する彼女は今、ベッドの上で体育座りの様な体勢のまま、自らストッキングを脱いでいる。太ももから膝、足の先まで、丁寧にくるくると巻きながら剥がしていく。彼女の素肌が少しずつ暴かれていく姿を、柔らかい毛布の上に横たわりながら、黙って見ていた。
 中途半端に脱がされたブラは既に脱ぎ捨てていた。つまりノーブラ状態のままシャツを着ている状態だ。しかもボタンは全て外されている。はっきり言って、目に毒だ。



「消費?」

「会社終わったら、ジムとか行ってますし」

「へえ。それは知らなかった」

「週末は、泳ぎに行ってます」

「市民プール?」

「はい」

「泳ぐって、どれぐらい?」

「1000メートルくらい」

「市民プールって25メートルだよな」

「そうです。1往復で50メートルだから、20往復くらい泳ぎます」

「うわ。すごいな」



 それは、痩せるのも無理はない。



「泳ぎ終わった後、すごく、バテバテになります」



 想像しただけで疲れてしまう程の話だ。
 以前、一緒にご飯を食べに行った際に教えてくれた。彼女は学生時代、水泳部に所属していたらしい。泳ぐのは得意だとも言っていた。高校を卒業して今の会社に入社した後も、泳ぐ事自体は続けていたようだ。
 水泳はダイエット効果が高いと、以前聞いたことがある。動くことすら負荷がかかる水中で泳ぐとなれば、全身運動をひたすら続けているのも同じ。消費カロリーの数値など、他の有酸化運動に比べても相当高いだろう。食べても食べても彼女が太らないのは、そういった理由があったようだ。

 ストッキングを脱ぎ終わった後、水森はそれをベッドの下に置いた。おもむろに立ち上がり、壁にあるスイッチを押す。途端、部屋の電気が消され視界が暗くなった。ベッドサイドに置いてあるスタンドライトが、周囲の物の輪郭をぼんやりと映し出していた。



「消すの?」

「だって、明るいところは恥ずかしいです」



 ベッドに乗り上げてきた彼女はやっぱり無表情だった。真顔で言うあたり、とても恥ずかしがっているようには見えないが。彼女が言うのだから、本当なのだろう。



「……随分、女の子っぽい事言うんだな」

「キリタニさん」

「はい」

「知らなかったかもしれませんが、私、実は女の子なんです」

「知らなかった」

「ひどいです」



 我ながらなんてシュールな会話だと思う。もはや色気も何もない雰囲気だ。けど普段から俺と水森はこんな調子だから、こっちの方が自然体で落ち着く。
 薄暗い部屋の中で、ギッ、とベッドの軋む音が響く。肘をついて体を起こしてから、彼女の手を取り引き寄せた。胸に倒れこんできた華奢な身体を腕に閉じ込めて、体を半回転させる。ベッドに組み敷いた彼女の馬乗りになって、両手首を掴んでシーツの上に押し付けた。



「せめて、シャワーくらいは浴びさせてほしかったです」

「待てない」

「待ても出来ないワンコみたいですよ」

「じゃあ、躾ければ?」



 言いながらキスを落とす。さっきのような性急に追い詰めるようなものじゃなく、しっとりと味わうようなもの。僅かに開かれた唇の隙間から舌を差し入んで、口内の奥に隠された彼女の熱を絡め取る。ゆったりとした動きに、彼女も同じように応えてくれた。一方的じゃないやり取りに酷く安心する。まるで嵐が過ぎ去った後のように、心は穏やかだった。



「……は、ぁ……」



 ひとしきり堪能した後に唇を離せば、彼女が悩ましげな吐息を漏らした。薄暗い中でもわかる紅潮した頬に、熱に浮かされたような瞳は少し、潤んでいるように見えた。



「私の方が、躾けられてる気がします」

「あ、いいなそれ。主人に歯向かった犬が形勢逆転するパターンだ」

「っ、あ」



 彼女が小さく喘ぐ。鎖骨に吸い付いて噛み付けば、赤く滲む所有印。胸元に散らした印を、指でなぞる。



「……見えるとこにつけないでくださいね」

「どうかな。俺は躾がなってないから」



 彼女の両手首から手を離して、肩へと指先を滑らせる。ゆっくりとシャツを降ろせば、彼女の白い肩が露出していく。肘の下辺りまで下ろせば、腕をゆるりと動かした彼女は自ら袖部分から腕を抜き取り、恐る恐るシャツを脱ぎ取った。まだ彼女の中で羞恥心があるのだろう、両手で胸を隠されてしまった。



「……なんで隠すんだよ」

「恥ずかしいんです」

「もう散々見たって」



 そう反論すれば、ちょっと拗ねた様な顔を拝見できた。初めて見る表情だ。可愛い。
 そうしてまた彼女の手首を取ってシーツに縫い付ける。幼い顔に似合わず胸はそれなりに大きさがあって、けれど、くびれはしっかりとある。変に痩せすぎても太りすぎてもいない、理想的な体型。こんな事を言うのはすごく、親父くさいけど。
 水泳で鍛えた賜物かもしれない。



「や、あっ……ん、」



 むくりと沸き起こった欲の赴くままに、彼女の胸元に顔を寄せた。小さく主張する先端を、口の中に閉じ込める。両手首を俺に押さえつけられている所為で口元を塞ぐ術がない彼女の口から、甘い嬌声が零れた。硬さで尖りを見せるそれに吸い付けば、ふる、と彼女の体が震える。



「……気持ちいい?」

「んっ……きもちいい……」

「左、弱い?」

「……なんでわかるんですか?」

「左の方が反応いいから」



 執拗に胸を愛撫すれば、絶え間なく小さな喘ぎが漏れる。未遂だけど、さっき抱いた時よりも彼女は忠実に、素直に反応を示す。2回目だからなのかそれとも部屋が薄暗い所為なのか。両方かもしれない。
 彼女はストッキングを脱いだとはいえ、下はまだスカートを履いたままだ。彼女から手を離して、スカートを脱がせにかかる。水森も抵抗なく、腰を少しだけ浮かせて脱がせやすいように気遣ってくれた。下着姿になって、内股に手を這わす。ぴくんと体を震わせたが、さっきの時のような制止の声はなかった。 それをいいことに、割れ目へと指を滑らせる。布越しでも、じわりと湿っているのがわかった。

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